第7回公演「悪魔さん、ご相談があります!」のモデルのお話。

第7回公演「悪魔さん、ご相談があります!」のモデルのお話。

皆さんこんにちは。
劇団ながらびっとの代表の森永です!

もう早くも2週間以上経ってしまいましたが、2023年9月16日〜18日に開催された
第7回公演「悪魔さん、ご相談があります!」無事に幕を閉じました。

ご来場頂いた方々、
関わってくださった方々、
応援してくださった方々、
そして出演してくれたみんな。
この公演を支えてくださった全ての皆さんに感謝でございます。

さてさて時が経つのは早いもので。
改めて公演を振り返ると、今作も沢山の色んな出来事がございましたが、ここでご紹介したいエピソードが一つ。

というも、今作の脚本を制作するにあたり実は「モデル」があったんです。

それは、実家がワイン推しの酒屋の「後藤みゆき」さん。
2020年に名古屋公演(コロナで中止)のリーダーを務めてくれた彼女です。

そのモデルの話の前に、当時の状況を軽く説明させて頂きます。

今作は3月頃に出演者オーディションを実施。
その頃はぶっちゃけお話は何も決まっていませんでした。笑

基本的に僕は、「当て書き」と言って演者が決まってから脚本を書くので、実際に脚本を書き出したのはオーディション選考を終え出演者が確定した6月頃。

ちなみに本番は9月。
終わった今だから白状しますが、3ヶ月前の時点で台本が全くない。恐怖でしかないです。

台本がないって事は、演者の稽古も進めれないし、どんな話か確定してないので宣伝用のチラシも、舞台のセットの準備も、何も進めれないって事なんですよ。

本当、絶対ダメです。

心配する出演者のみんなに「大丈夫大丈夫!いつもこんな感じだからさ!」と強がってみるものの、内心ずっと尋常じゃないほど焦ってました。
「納得いくのが書けないんです!」って駄々こねてましたけど、みんなに甘えすぎていたと猛省です。

ちなみにじゃあ台本できるまでになにしてたの?ってなるんですが
最初の1ヶ月は、みんなの事を知る期間と決めてました。
この期間は演技の個性や、みんなのチームワークを深める為の時間でした。

ここでみんなで仲良くなり、演技初挑戦の人も多いので、人前でコメディする事に抵抗もなくなった・・・はず!!笑

・・・さて、話は戻りまして。
今回は「天使と悪魔」という題材でやりたいなぁと思っていたのですが、設定について悩みまくった次第で。
どんなシュチエーションでいくか。どんな人物を描くか。毎日悶々としてました。

そんな時、ふらっと静岡の浜松在住の後藤みゆきさんが、大阪に別用があったとかで僕が経営するカフェに遊びに来てくれました。

久しぶりに会って、「最近どうよ?」と軽く質問。

そこで彼女が「まちなかワインテラス」と言う実家の酒屋と、街おこしを兼ねたビジネスを始めたと聞きました。

その背景に、お店を継ぐかどうか悩んだ事や、ご両親が「お店の事は心配せず、好きなことをやって欲しい」と望んでいた事。お店をほっとけないけど「継ぐ、継がない」以外に自分のやりたい事と繋げれないかと模索した事。

そんな葛藤や、両親の愛情、自分の環境に向き合う事のお話を伺いました。

この「お店を継ぐのか」「好きなことをやるのか」のどちらかではなく、両方兼ねれる「第3の選択」を模索すると言う話は、ながらびっとのコンセプトに通づるものがあるじゃないかと、ビビッときました。

更に言うと、誰かの人生をモデルにすると言う試みは個人的に「面白そう!!」と火がつき、後藤さんをモデルにお話を書いてみたいと決めました。

しかし、実際に脚本に落とし込んでいくと、やはりどうにもこうにも表現するには難しい問題や、100分にまとめる事の限界を感じることもしばしば。

かなりの脚色や、事実とは全く異なる部分、モデルにさせて頂きました!と言うにはちょっと・・・と心苦しくなった部分も多々あり。

当初は当日パンフ等にこのモデルの件も触れようと思ってたのですが、上記の理由で「こんなの私じゃない!」って怒られちゃうんじゃないかと躊躇してしまった次第です。

・・・ところがどっこい。

実際に公演を観に来てくれた後藤みゆきさんが、「まんま私やないか!!」と公演後に泣きながら伝えてくれまして。
そして、以下のように感想をSNSに投稿してくれました。

・・・嬉しい。
そんな風に思って頂けたなんて、嬉しいじゃないかコンニャロウ。

きっと今作の共感して頂けた部分は、実際に後藤さんが葛藤してからこそだと思います。
作り物だけど、作り物の中に「リアル」があったから。

後藤みゆきさん!!
お話を聞かせて頂き、また脚本のモデルとなって頂き本当にありがとう!!!

ちなみに物語の主人公である「千鶴」の実家は、後藤さんのご両親が経営されてる「エスポアごとう」さんがモデルに。

エスポア ごとう さんのホームページ

千鶴が物語の最後に提案・企画した「まちなかワインパーク」は、後藤みゆきさんが主催されてる「まちなかワインテラス」がモデルなのは言うまでもなく。
実際に浜松で過去3回も開催されております。

まちなかワインテラス vol.3[浜松市中区]|アットエス

まちなかワインテラスさんのInstagram

作中の通り、本当にワインに対して物凄いこだわりを持っていて、「造り手の顔の見えるワイン」として取り扱うワインに愛情と誇りもっていらっしゃいます。

 

さて、個人的には、この誰かの人生を作品にするって試みは物凄く良かったと感じていて。
おこがましい言い方だけど、この作品が、後藤さんにとっても少し特別なものになったのかなと思うと、少し誇らしい気持ちになります。
今後も機会があれば、誰かの人生を面白おかしく、そして、グッと刺さるような作品にさせて頂きたいです。

 

と言うわけで、長くなってしまいましたが今日はこの辺で。

今作はまだまだいっぱい色んな裏話や出来事がありました。
初の子役起用の事。
稽古中に数名が声が全然出なくなった事。
本番中、僕が思いっきり出番ミスって大土下座した事。笑

また機会があればご紹介したいものです!

最後に!!!
本公演オンライン配信やりますよーーー!!
このブログにあった後藤さんの話を踏まえ見ると、少し違った印象になるかも!?
配信は2023年10月25日〜11月20日まで!

オンライン配信についてはこちら

ちなみに永続的に見たい、手元に置いておきたいぞって方は、DVDも販売しますよ!
そちらは12月頃になります。ご予約できます。

以上、森永でした。

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