皆さんこんにちは!
劇団ながらびっと主宰の森永です!
さてさて今回は裏話シリーズ後半です!
前編はコチラ
【アイドロ裏話 前編】細かすぎて伝わらない小道具・美術編
これを知ると、もっと作品が好きになる~!はず!
てなわけで早速いきましょう!
【マルチエンドについて】
大阪編と兵庫変で異なるラストっていうのが、今作のウリの1つでした。
兵庫エンドは幻となってしまったので、せっかくなので簡単に触れたいと思います。
(一応公演台本には両方のエンディングが書かれているので、それを知りたくて購入した方もいるので触り程度に。
気になる方は是非ご購入をご検討を・・・!)
購入ページはこっちら~♪
今回はそれぞれの環境で暮らす中で、それぞれの答えを導き出すっていうのが当初の目指すビジョンでした。
答えは1つじゃなく、曖昧で、多様なもの。
そもそも答えが明確で1つしかないなら、3体にする必要はなかったので。
しかし90分で3つの着地点はどう考えてもまとまらないと悩みまくり、大阪と兵庫でマルチエンドで表現する事に。
と、ここまでは良かったんですが、いざ考えるとわけわからんくらい悩みました。
2つのエンディングって、難しいんですよ。
だって両方見るお客さんなんて稀であって、基本どちらか1つだけ。
じゃあそれぞれちゃんと納得する結末にするのは大前提。
でも、両方見る人もいるはずだから、似たような結末は納得して頂けないわけで。。。
これスーパーウルトラ難解なんですよ!
ちなみに登場するロボット3体はこんな感じでした。
・昔ながらの頑固店長の食堂で、味に興味を持つアルス。
・2流と呼ばれようと我が道をいく漫画家と生活するリベロ。
・恋愛を学び感情が芽生える?セイド。
あ、ていうか余談ですが、ロボットの名前はちょっとカッコつけてラテン語です。
ちゃんと意味があるんですよ!
アルスは「芸術」
リベロは「自由」
セイドは「穏やか」
その意味に合わせて、ロボットも成長し、答えを出すみたいなイメージでした。
で、マルチエンドの話に戻りますが、大阪公演はセイドに沿ったエンディングで、恋愛塾のシーンが1つ追加されており、テーマとなる言葉は「記憶」「曖昧」「穏やか」てっ感じでした。
そして幻となった兵庫公演は、リベロに沿ったエンディングだったんです。
漫画家のシーンが1つ追加されており、「自由」「決断」そして、当日パンフでも触れていた「らしさ」をテーマに終えます。
どちらも甲乙つけがたいエンディングです。
両方を見た人がどちらに軍配を上げるかを楽しみにしてたのですが・・・
くぅ、残念!
でもまたいつか披露できると信じております!
その時は是非、直接観てやって下さい♪
【過去作とのリンクネタ】
毎回こっそりと、過去の作品ネタのオマージュだったり繋がってる部分を作りたいってのが僕の密かなこだわりポイント。
アンケートにもよく書いて頂いたり、ながらびっとの小さな楽しみに定着できればなと。
演者がアドリブで匂わせたものもあるかもですが、今回僕が仕掛けたのは2つです!
まず1つめ
おそらく前作を見た人はわかったはず!
アルスの回想シーン(?)で、前作に登場したブライダルカメラマンの亀田君が登場。
いわゆるゲスト出演って感じで、衣装も前作のままで登場しました!
ちなみにこれは前作↓
加えて亀田のセリフで「昔は公務員で安定していた分」みたいなのを入れてたんですが、これは第二「カンナ町レボリューション」で彼が演じた「警察官」の事?と匂わしてました。笑
まあ遊び心ですわな。
そして2つめ!!
これですよこれ。
もう一つはゴカフェとのリンクです!
これはまあ細かすぎたので、もしわかった人がいたら相当なながらびファンです。笑
なんぞなんぞ!?って人は、こちらの動画にまとめたので見てやって下さい!(約2分)
わかりましたかな??笑
ゴカフェに登場する、絶版するも一部に熱狂的なファンを待つ幻のレーサー漫画「爆走レーサーダッシュ君」。
この漫画の作者が、アイドロに登場する「華丸華子」だったという所です。
ヒントは「主人公が負ける」「王道少年漫画」「普及のレーサー漫画」「全25巻」とかかな?
あと一応ちゃんとこのシーンでは読んでます。笑
絶版するほど人気のないこの漫画ですが、それは他人にどう評価されようが突き進み、自分の書きたいものを書く!というのを貫いたからこそ。
そんな自分らしさがブレないキャラは、今作には必要だったので登場させてみました!
まあ誰が気付くねん!ってレベルの話ですし、時系列とかツッコミ所満載なのはご愛敬で。
気付いた人はいましたかな??
【作品コンセプトカラー】
作品の題材はどうやって決めるのか?
みたいな質問をよく頂くので、ちょっとしたこだわりがあるので書きたいと思います!
実はこれまでの本公演の作品にはコンセプトカラーがありまして。
チラシやDVDジャケットを並べた時に、なんかカラフルにしたいなぁと。
(と言っても意識しだしたのは3作品目から。笑)
なので1~3作目までが、赤.青.黄。
うーん、すんばらしい。
めちゃポップ。我が劇団が誇るデザイナー様様です。
ちなみにデザイナーはこの子
赤青黄とくると、なんとなく4~6作までは、白.グレー.黒 にしたいなと思いましてね。
前回結婚をテーマにしたのは、「白」と言えば結婚式!みたいな所もあったわけなんです。
で、今回は「グレー」にしたいなぁと!
グレーから連想するテーマを考えた時、「鉄」が最初に思いつき、そこからロボット物にしよう!と思ったのが理由だったわけです。
それに白でもない黒でもない「アイマイ(曖昧)」っていうのも、グレーと若干かかってたりするし!
(※余談ですが、今作のオープニングの曲名も「YESorNO」っていう曲で、なんか曖昧にかかってる感じがめちゃ好み♪)
ただそうなると、あれ?ってなりますよね。
今作のチラシ全然グレーちゃうやんっていうね。笑
まあ理由は単純で、デザイナーと色々考えたものの、グレーってどーーーもパッとしないんですよこれが。笑
最初は「鉄の心」みたいなのもモチーフにしてたり、ちょっとレトロ風の昔ながらのロボットって案が多かった気が。
でもそうなると未来感が出ないし、ポップじゃなくて、結果的に白と黒の中間っぽい、藍色に落ち着いたわけなんですよね。笑
これだけ言っておいて、グレーのこだわりはあっさり捨てましたさ。笑
ま、より良いものを作る為に些細なこだわりが枷になるのは違うだろうと。笑
だもんで6作目が出揃ってからこのコンセプトカラーのこだわりを公表するつもりでしたが、あっさり捨てたのでもういいかとこのタイミングでばらしちゃいました。笑
また次回を黒にすると、暗いイメージが続くかな?と思うので、ここはまた要検討です。
次回がどんな色の作品になるか、お楽しみにです!
【ダブルキャストについて】
最後に、こだわりとか細かすぎるとかの趣旨からは外れますが、やはりこの新しい試みは語らずにはいられない!
いやーーーーー難しかった!!
これまで当て書きのやり方しか知らないので、ダブルキャストは本当に想像以上に難しかった!
理想は同じ役なのに全然味が違う!みたいなのを目標にしてました。
だから似てる人を対にすればいいってわけではない気がしてて、でも違いすぎると無茶苦茶になるというか・・・
うまく説明できないので図にすると
・・・えっと、わかります!?笑
こう、なんかそれぞれの良さというか、個性があって、その交わる部分が演じる役のベース的な。
例
食堂の店長なら、「頑固そう・昔ながらの人・見た目が親父っぽい」ってのが役のベース。
ただ「口調や話すテンポ、テンション、立ち回り方、演技アプローチの方法」は演者の個性。
なのでちょーどいい塩梅で交わりそうな部分があるペアを決めて、その共通点から役のベースを作って当て書きしていくみたい。
で、交わらない部分があるからAさんとBさんの違いというか味になるというか、ダブルキャストならではの面白さの伸びしろになる的な。
だから交じり合う部分が多いと面白くないけど、ここがないと役のベースがなくなってしまうっていうか・・・その、つまり、えっと・・・
全然わかりませんね!笑
僕も書いててさっぱりですわ!笑
とにかくバランス調整がすこぶる難しかったんです!
そもそもそんな都合よくペアが出来上がるわけでもないし。
で、よーしこれだ!!
って思っても、始まるとまあムラがあるわあるわで。
最初は似た感じにならないよう、「対になる人の演技を見るの禁止!」とかなんか模索してました。笑
始まって1カ月くらいで、「私〇〇ちゃん(対になる子)みたいに面白くできません!!」って泣かれた事もありましたよ。苦笑
僕も終盤になると、どうしても削るセリフとか精査していかないといけないので、「あっちは面白いけど、君はできてないからダメ」的なニュアンスの、結構むごい事を言ってました。
仕方ないじゃない。本気なんだもの。
比較されてしまうのは、また比較しないといけないのは、なかなかにきついです。
ぶっちゃけ何人もの頭を抱える姿や、悔し涙、心が折れそうな瞬間を見ました。
そもそも演技って、正解がないんですよね。
ここまでやったらOKという基準やゴールもないし。
だからこそ、やっぱりダブルキャストというのは本当に刺激的で、自分では思いつかないようなアプローチの発見もあったり、比較される事で濃ゆくなっていた気がしました。
最初はやっぱり似たようなキャラを作りがちですが、それぞれが自分の良さや、自分らしさとは何かと向き合い開花していく姿は、個人的にはグッとさせれていました。
これは今後もやりたい!
さて!
裏話はこれで以上になります!
いやー、今回もわけわからんくらい悩んだり、喧嘩したり、謎の盛り上がりがあったり、思い返すとまだまだ裏話は尽きないのですがこの辺で。
にしてもこういうの書いてるとやっぱりコロナは悔しいですね~!
でもまたいつかリベンジができる事を信じ、そしてより多くの人に楽しんでもらえるよう頑張りたいと思います!
今回紹介したような小さなこだわりは、今後もちょこちょこ仕掛けていきたいと思うので、そこらへんも楽しんでもらえたら嬉しいです!
では!長文お付き合い頂き誠にありがとうございました!
次回作でお会いしましょう!!!
森永健太郎