【コンハカ裏話 後編】配役について

【コンハカ裏話 後編】配役について

さてさて!
コンハカ裏話 後編です!
今回は配役についてです。

やっぱり配役ってものごっつい重要。
特に今回は人数が多い・初めましてが多い・選択肢は多い!の3拍子。

選択肢が多いというのは、オーディションにご参加頂いた方が多かったという点と、加えて今回「限定空間ではない」って事が大きかったんです。
※「限定空間ではない」に関しては前回ブログを参照。

分かりやすい例として2作目「カンナ町レボリューション」で言うと、あの時は「学校」「会社」のシュチエーションだったんです。

そしたら配役は基本的に大きく分けて「学生」「会社員」になりますよね。
あとは見た目やキャラクターで自然とパズルのようにカチカチっと決まっていきました。

しかし今回は、シュチエーションの固定がないからなんでもできちゃうって話。

結果的にカメラマンや司会(落語家)、シェフなんかに焦点を当てましたが、別にスタイリストさんや新郎の友人、新郎新婦の会社の上司とかが登場するアイディアもあったわけで。

実際オーディション時の仮台本では、新郎とその友人達が余興の話し合いをするシーンがありました。
あとボツ案の中には「新婦の前の彼氏(お父さん公認)が登場し、漆黒の翼団に依頼して結婚式を邪魔をする」なんてパターンもあったり。笑

ほんと色々できるってのは逆に困る。
だからこそ当て書き配役は、物語に直結します。

で、やっぱり最も悩んだ初出演者達です。
そらそうですよ。しかも大体の人が「お芝居初めてです」って言われちゃーね。笑

なのでそんな初出演のメンバーに絞り、配役理由と印象に触れていきます!
過去に出演した事ある人達とダンサーは割愛!
ごめんなさい!

それでは早速いきまーす!


さくら まこ


芯があるようだけど、主張が激しくない。でも言いたい事はハッキリ言うような。そんな印象。
周りを立てようとするサポートタイプに感じました。
ゆえに3歩後ろをいく航太郎の妻に。
当初は父である航太郎に逆らえず、母も最後まで瑞樹の結婚を反対するかなーと思ってましたが、
彼女が演じる和泉は奥底で力強さがあって、黙って従うだけのタイプではないなと。
だって何かを訴える「目力」がハンパないんですもの。笑
途中で静かに意見を主張し、父と対立する役に変更しました。

 

西林遼一郎


真面目でピュアな印象でした。
なんか、言葉に裏表がないというか、濁ってないというか。
それでいて押し付けがない。みたいな。
だから主役である瑞樹を純粋に応援する役にしようと。
応援って難しいんですよ。言葉が少しでも濁ってると「本当にそう思ってる?」みたいな意図してない情報が届いてしまったり。
そして真っすぐゆえに、父にも唯一意見を言えるのだろうと。
彼がギスギスする高石家のクッションになり、また歯がゆい空気をズバッと割ってくれるのかなと感じました。

 

糸山大樹


実はオーディション直前に、たまたま別のイベントで会って「興味ない?」と声を掛けました。
カッコいいお父さんを探していて、彼は、まさにでした。
キッチリしてて、スタイルも良く。彼が決まり、高石家が「品のある家庭」にしようとしたわけで。
ちなみに当初は高石コーポレーションの社長という設定でした。

見た目って、本当に大きな武器です。だってどんだけ上手くても見た目はどうにもならない。
結婚がテーマなのにお父さんは欠かせない。そんな時に彼に出会い、また興味を持って頂きラッキーでした。
実際の彼は柔らかい空気を持っていて、「融通が効かない頑固な父」に苦戦していましたが、
最終的には彼らしい、愛が溢れる航太郎を掴んだように感じます。

 

山本卓寛


彼学生の時に落語をやってたとか。いわゆる落研。
だもんで普通の話ですら落語に聞こえる。笑
そんな特徴を活かさない訳にはいかない。

どんな風に出すかは決まってないのに、落語家という設定だけ先に決めました。
ちなみに当初は新郎の父役と考えてましたが、どう頑張ってもお父さんには若すぎたので断念。

ちなみに何がすごいって、作品上特に落語を披露するシーンなんかないんですよ?
なのに誰もが「彼は落語家だ」と違和感なく見せれたわけで。
それも人生初芝居にも関わらず。笑
あと本番で急にノリノリになってやたらとアドリブかまそうとしてました。
この野郎。笑

 

こたろー


彼女は一見とても品のある女性で、ハキハキと通る声でなんか仕事できそう。そんな印象。
ただ逆に言えば器用貧乏なのかなーと。

しかしオーディション時に「怒る」セリフがあったんですね。
その時のギャップがすごく印象的で。
声はそんなに張り上げてないのに、少し荒さがあって、なんか迫力があって。
ここだけの話「あれ、元ヤン?」とすら思ったほど。笑
だもんで絶対にどっかでそういうギャップを見せるシーンを作ろうと思いました。
それが、おちゃらけてて、しっかりしていない落語家と組ませる事で、名シーンが生まれそうだなと。
実際、僕は後にその判断が間違いなかったと確信しました。

 

玉置隼人


ながらびっとの「男子イケてない問題」を払拭してくれるイケメンでイケボイスのハイスペック男子。
演劇経験者で、オーディションでも一際目立ってました。
最初は真面目で謙虚な青年のイメージだったのにスイッチが入ると、急にチャラくなる印象。
なので彼にはトリッキーなボケを担ってもらおうと。
新郎新婦の友人にはタイプが違うし、スーツのような固い役をやらせるのも面白くないなーと。
で、式場で一番自由に動けそうなカメラマンという役をはめてみました。
加えて我が劇団の自慢のポンコツ太郎である、新井君と組ませたらどうなるだろうと。
ちなみに一番のボケたがりの「欲しがり屋さん」で、練習中など誰かが欠席の時は率先して代役をやってくれました。

 

橋本達矢


これまでの劇団にはいないタイプでしたね。
いやーレアキャラ。
というのもテンションが低いんですよ。笑
ずっとギアを上げないというか。

オーディションで「ボケとツッコミ」という課題において、
唯一、声を荒げずに普段の声で突っ込んだんです。
間も良くて、それがものすごい僕のツボにハマりました。
これは「うるさいタイプと組ませよう」と。笑
ちなみにオーディションの段階では、悪の軍団に入れる気満々でした。
しかし色んなバランスを考えなんやかんやでシェフのポジに。

 

奥田優


彼の特徴は、話し方や纏ってる空気が柔らかいんです。
優しいというか、棘がないというか、人を傷付けないみたいな。
だから振り回される役にはもってこいだと思いました。笑
文句は言いつつほってはおけない、なんだかんだ言いながら結局良い奴っていうのを地で出せるわけで。
元気印の猪タイプ麻衣ちゃんと、普段は気怠そうなくせに急に大ボケかますシェフとのバランサーとして組ませました。
また唯一ツッコミに徹したのも彼。

ちなみに余談ですが前回から出演してくれてる「はいじ」の息子です。今回でいう新郎の母ですね。
冷静に考えると親子で出るなんてやっぱすごい。

 

金希珠(ひじゅ)


オーディション時に器用でしたね~
ゆえに結構悩みました。どこに置いてもいけそうだなーと。
普段の彼女は毒なんて全然言わないんですが、今回悪の軍団を作りたいってなった時に、
僕の中で「悪を演じても怖くなり過ぎない。愛される」って事を重要にしてました。
ただ弱々しいと根本的に悪に見えなくて、すごくバランスが難しなぁと。
彼女はちっこくて可愛らしいのに、声量が結構あって、パワーがあり、望んでいたバランスを備えてました。
ってなわけで漆黒に。
彼女はおそらく全然違う役を演じ分けれますよ。
ちなみに彼女はオシャレが大好きとかで、みんなの衣装のアドバイザーとして活躍してくれました。

 

金閏浩(ゆんほ)


もうハッピー野郎です。根っからの。
常に笑ってくれてて、それでいて周りをしっかり見ていて、さりげない一言とかにすごく優しさを感じるんです。人が好きなんだろうなと。

そんな人柄が演技にも染み出てて、ある意味誰よりも純粋に「幸せ」を語れるんじゃないかと思い、
タイトルコールを担ってもらいました。笑

ただ一番置き所に悩みました。
最初は片言の日本語を活かした大ボケの観光客のキャラにしようと思ってたんですが、
「韓国人をバカにしてるのか!」と差別に見えるんじゃないかという懸念もあって。
考えすぎかもしれませんが、100人のうち1人でもそれを感じる人がいるなら避けるべきだと。
最終的に、彼の「人が好き」という長所を際立てた居酒屋大将の役から、幸せを願うゆえに道にそれる悪の新人に落ち着かせました。

 

塩田葵

今回「仕事ができないブライダルプランナー」は欲しいなーと思っていて、
加えて健気で、共感できて、初々しくて、ボケに走り過ぎない、そんな要素を欲してました。
そんなイメージに彼女はピッタリ。
はっきり言って彼女は上手くはない。最初はびっくりするくらい声も小さかった。すぐ泣くし。笑
でもそれがリアルで、3カ月の練習を一生懸命に励む彼女と、ストーリーの中で成長していく新山の姿が重なりました。
演技の中にリアルがあったからこそ、彼女の演技にはグッと来るものがあった気がします。
ちなみに彼女はダンスがすこぶる上手で、それを全然活かさなかったのはなんと勿体ない事か。
あと、彼女は実は過去公演にお手伝いスタッフとして関わってくれた事もあり、初めましてじゃなかったんですね~。

ちゃ~り~

まあ常に笑ってましたよ。見た目も熊みたいで、普段の服装もすっごい個性的。笑
たかちゃんと並べた時に、シンプルに面白いと思いました。
失礼を承知で言うと変人を地で出せるんだもの。笑
これはレアキャラです。
それでいて声がすっごく良くて、クサいセリフをまっすぐ届けれる。ずるいよなー。
てなわけで新郎に決定。迷いはゼロでした。
ちなみに彼は福井県の人間で、この練習期間毎週通ってました。
交通費や毎週の宿泊費、どひゃーーーー。

 

南野貴代


まあ不器用。まあ棒読み。オーディション時に声が小さくて「声量」のチェックをした3人のうちの1人です。
ただ誰よりも一生懸命でした。

彼女の台本はダメ出しやアドバイスを書き込みすぎて真っ黒。
1文字1文字、何度も練習したからこそ、すごく気持ちが伝わるんです。
これすっごく重要。彼女はみんなに愛されるんです。
心の底から、おめでとうと言いたくなる。今回のテーマ的に、その要素は絶対不可欠。
自分で「主役です!」と言えるタイプじゃなくて、みんなから「主役はあなた」だと言ってもらえるような。
派手さはないけど、品があって、共感しやすい。
僕が求める主役のイメージに彼女がハマりました。

 

難波優華


彼女はねー。すごいんですよ。
過去出演者の稲田さえからご紹介して頂いて知り合ったんですが、彼女は全国高校演劇祭で優勝経験もあるらしいすごい人。

これ言っちゃうかどうか悩んだんですが、彼女みんなとの練習日数は2日間だけです。あとは平日の自主練のみ。
事前に台本と通し動画をお渡ししていて、練習初日の夜には通しました。ひえ~
台本の覚える早さ、空気を読む力、存在感の出し方、プロですよね~。
それでいて一瞬でみんなと仲良くなって溶け込んでるんですよ。あれ、前からいたっけ?みたいな。
時間の概念がぶっ壊れてますよ。まじで。笑
それでいて僕みたいなペーペーな演出のダメ出しを真剣に聞いてメモって、通しでミスったら凹んでる。
「いやいや、練習2日目の君が凹んだら、約3カ月やってもミスってる僕らの立場が・・・」
感謝しかないです。
最後には「最初から参加したかったです」という言葉もくれて、嬉しいじゃないの。
リップサービスだとしても喜びますよ私は。


あー!
なんという文量!
まだ書きたい事は沢山あったんですが、もう限界。笑

まだ掘ったらどんどん出てきそうなんですが、この辺で終えます!
こんな裏話も踏まえて、コンハカを楽しんで頂けたらば幸いです!

最後にデザイナー青木がしれっと良い感じのイラスト書いてくれてたので勝手に載せます。笑

愛だね~。

あ、あとDVDのご予約まだまだ承ってますよ!

それではこの辺で!
お付き合い頂き誠にありがとうございました!!

森永

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